当社におけるDX推進の取り組みについて

当社は、ガラスびんの製造を主たる事業としながら、急速に変化する社会環境・顧客ニーズに柔軟に対応するため、デジタル技術を活用した業務改革(DX:デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組んでいます。


企業経営の方向性(経営ビジョン)と情報処理技術の活用の方向性(ビジネスモデル)

経営ビジョンとしては、「伝統と革新の融合による持続可能な製造体制の確立」を掲げており、製造現場における業務効率化や品質向上を図るとともに、柔軟かつ迅速な対応力を持つ企業へと進化することを目指しています。
その実現に向けたビジネスモデルとして、当社では既製のパッケージソリューションに依存せず、現場の実情に即した内製システムの開発・運用を積極的に行っています。これにより、現場からの細かな要望にも柔軟に対応でき、実用性と即応性を兼ね備えた業務改革が可能となっております。
さらに、製造部門および販売・管理部門においては、各種業務データのデジタル化とその活用を推進しており、データドリブンな意思決定を通じて、より高品質な製品づくりと顧客満足の向上に取り組んでいます。今後も、全社的な視点でデジタル技術の導入と最適化を進め、競争力のある企業経営を実現してまいります。


DX推進体制

当社では「ITシステム管理室」を設置し、2名体制でDXの推進に取り組んでいます。現場部門と密に連携し、業務効率化・セキュリティ強化・情報資産の高度活用を推進しています。また、IT環境の整備に留まらず、社員一人ひとりがデジタル技術に習熟し、業務の質とスピードを向上できるよう、継続的な支援・教育体制を整えています。


DXの具体的な取り組み

1. 社内業務のデジタル化

  • Microsoft 365の全社導入
    PCを利用する全従業員にアカウントを配備し、多要素認証、EDR導入によるセキュリティ強化対策を実施しています。

  • 社内インフラの整備
    社内PCは全てWindows11Proに更新済みで、高解像度モニターの採用や最新の暗号化方式を採用した無線アクセスポイントの設置を進めています。

  • 業務アプリの内製化(PowerApps・PowerAutomate活用)
    現場の意見を取り入れた内製アプリを継続的に開発し、パッケージ製品では対応できない業務要件にも柔軟に対応しています。

    【内製アプリの一例】
    各種申請(稟議書、提案書、入構許可申請の承認など)
    日報(コメントフィードバック、情報共有、残業申請など)
    帳票管理(マニュアル、図面など)
    倉庫管理(在庫、出荷承認状況、位置情報を管理、誤出荷防止機能など)
    体調管理(定期一括報告機能など)

2. 情報セキュリティの強化

  • 社内規程の整備
    情報セキュリティに関する社内規程を策定・配布し、全従業員に対する理解促進を図っています。

  • 研修と啓発活動
    入社時研修および定期的な社内研修を通じて、全社員のリテラシー向上を継続的に推進しています。
    また、定期的にセキュリティ関連の通知・注意喚起をTeamsで配信することで日頃からセキュリティ意識を高める取り組みを実施しています。

  • 技術的対策
    全拠点にUTM(統合脅威管理)を設置し、ファイアウォール・URLフィルタ設定を実施し、業務効率と安全性の最適化を図っています。
    メール誤送信防止プラグインを全従業員端末に導入し、情報漏洩対策を実施しています。
    モバイル端末やノートPCなどのストレージは暗号化を行い、万一の紛失時も情報漏洩リスクを低減するしくみを導入しています。


戦略の達成状況に係る指標

  • デジタルツールを活用した作業の効率化・精度向上により、下記を達成
    紙の消費数を30%削減(2023年比)

    誤出荷の発生件数を90%削減(2024年比)

  • デジタルデータ活用による製造工程効率化
    2025年8月 生産状況の記録をデジタル化するプロジェクトを発案
    2026年1月 生産状況のデータを各部署で共有し、即活用できる仕組みを構築

DXの今後に向けて

当社では、単なる業務効率化に留まらず、現場から経営層までがデジタル技術を活用し、データに基づいた判断や顧客への新たな価値提供が行える組織文化の醸成を目指しています。今後も、柔軟かつ機動的な開発体制と、堅牢なセキュリティ体制の両輪で、持続可能なDXの実現に取り組んでまいります。


代表取締役
大久保 統


更新日:2025年6月5日